倉庫保管の際に耳にするフリーロケーションとは?

2024年 01月23日

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EC倉庫などを借りる時、耳にすることも多いフリーロケーションですがどのような保管方法なのでしょう。この記事では、そんなフリーロケーションについて解説していきます。


フリーロケーションとは

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物流におけるフリーロケーションとは、倉庫内での在庫方法のひとつです。

保管する特定の製品に対して固定された場所がなく、在庫の取り扱いが自由に行われる在庫方法です。

空いている場所に適当な製品を保管する事が可能なので、どの場所にも在庫する事ができます。


固定ロケーションとは

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一方で固定ロケーションとは、特定の製品に対して決められた在庫場所が用意されており、その場所が空いていたとしても他の製品を置くことはできません。

この方法は、在庫管理がしやすく在庫数の可視化も簡単です。


ダブルトランザクションとは

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ダブルトランザクションとは、フリーロケーションと固定ロケーションを組み合わせた在庫方法です。

倉庫内でピッキングエリアとストックエリアの2エリアに分け、ピッキングエリアでは固定ロケーションを採用し出荷率が高い製品を置きます。

またストックエリアでは、フリーロケーションを採用して出荷頻度の低い製品やピッキングエリアで溢れてしまった製品を置きます。

ピッキングエリアの在庫が一定数以下になると、ストックエリアからの補充を行うことで作業効率と保管効率を両立する良いとこ取りの方法です。


フリーロケーションのメリット・デメリット

フリーロケーションのメリットは、置き場所の厳密なルールを必要とせず、保管業務が容易であり、効率的に行えることです。

これにより、倉庫内での作業が簡素化され、従業員のトレーニングが容易になります。また、倉庫の保管効率が向上し、特別な棚割りの計画を立てる手間も不要です。

一方で、フリーロケーションにはシステム構築とハンディターミナルの導入が不可欠であり、これには高い費用がかかります。

さらに、保管効率が優先されるため、ピッキング効率が考慮されていないことがあり、一部の商品のピッキングに際して広い範囲を移動する必要が生じるかもしれません。


固定ロケーションのメリット・デメリット

固定ロケーションのメリットは、商品ごとに一貫して割り当てられた位置があり、これにより在庫の取り扱いが簡便で、位置の一貫性から在庫数の把握や管理が容易であることです。

逆に、デメリットとしては、在庫の変更や商品のラインナップ変更に適応しにくいことが挙げられます。

固定ロケーションは、商品の種類が少なく、入れ替えが少ない定番商品などに向いています。


ダブルトランザクションのメリット・デメリット

ダブルトランザクションのメリットは、フリーロケーションと固定ロケーションの良いとこ取りを行う事が可能なところです。

一方でデメリットは、的確な在庫管理が求められるため管理が複雑になることです。

在庫の補充が遅れると、出荷プロセスに支障をきたす可能性があります。

調整作業が十分に行われないと、業務の滞りや効率低下が生じるリスクが伴います。


フリーロケーションに適した製品は?

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フリーロケーションは、すべての製品に適しているわけではありません。

ここからは、そんなフリーロケーションに適した製品について解説していきます。

在庫の変動が不規則な製品

製品の出荷が頻繁に行われており、在庫量が安定せず不規則な商品は、フリーロケーションでの管理が適しています。

固定ロケーションでは、保管場所と製品が1対1の関係で結びついているため、在庫が少なく場所が空いていても、そのスペースを有効に活用することが難しいです。

一方、フリーロケーションでは、在庫が少ない場合は余った場所に他の商品を保管し、在庫が多い場合は隣の場所まで広がって保管できるため、保管効率を向上させることが可能です。

小物で1回あたりの出荷量も少ない製品

大きなサイズの製品をフリーロケーション管理する場合、一つの場所に在庫することは難しく、何ヶ所かに分れる且つ離れた場所に保管する必要があります。

これにより、ピッキング点数が多い場合は何ヶ所もの場所を移動する必要が生じ、作業効率が低下します。

対照的に、小さなサイズの商品は同じ場所にまとめて納めやすく、1回のピッキング数が少ない場合は何ヶ所もグルグルと回る必要がありません。

このため、フリーロケーションは小さなサイズの商品において保管効率向上のメリットが生まれやすいです。

フォークリフトを使う必要がある製品

フォークリフトを使うくらい大きくて重い製品であれば、逆にフリーロケーションの方が効率は良いと言えます。

大きくて重い製品は、基本的に人の手でピッキングを行わずフォークリフトを使って移動させる事がほとんどです。

そのため固定ロケーションであっても、フリーロケーションであっても出荷場に運ぶ手間はほとんど変わりません。

変わらないのであれば、効率よく在庫場所を使用できるフリーロケーションの方が良いと言えるでしょう。


まとめ

フリーロケーションは、スペースを効率よく使用する事ができます。一方で固定ロケーションは、在庫の管理がしやすい方法です。

自社の製品は、どのような在庫方法が向いているのかも考えて保管していくと良いでしょう。


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