ドライバー不足で運賃はどうなる?

2024年 01月19日

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長く問題視されている物流・輸送業界のドライバー不足や2024年問題の影響ですが、実際の運賃にはどのように影響してくるのでしょう。この記事では、そんな運賃への影響について解説していきます。


なぜドライバー不足なのか

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そもそも物流・輸送業界はなぜドライバー不足なのでしょう。ここでは、ドライバー不足の原因について考えていきます。

交通事故

トラックドライバーが常に負うリスクとして、交通事故のリスクがあります。もちろん仕事として長時間運転するわけですから事務員や工場作業員よりも交通事故のリスクは大きく、避けることはできません。

また、ニュースなどでも長距離の夜行バスや観光バス、トラックの事故は大きく取り上げられる傾向にあり危険なイメージを持たれがちです。

物流・運送業界以外にも人手不足の業界は他にも多くあり、わざわざ大きなリスクを負うドライバー職を選ぶ人が少なくなりドライバー不足に陥っていると考えられます。

家族の反対

長距離のドライバーなどであれば、何日にも渡って全国に荷物を届けるため、なかなか家に帰れないことがあります。

また、恒常的な残業による長時間労働が原因で家族との時間を取るのが難しいことも少なくありません。

そのため、ドライバー職になることを相談すると家族からの反対にあうことも考えられるでしょう。

低賃金

賃金に関して2021年度の試算で見た場合、全産業の平均489万円なのに対して、大型トラックのドライバーは463万円、中小型トラックのドライバーは431万円と平均値を下回っています。

かつては、やればやるだけ稼げたトラックドライバーも、労働時間の制限などにより大きく稼ぐことは難しくなってしまいドライバーを志す人も少なくなってしまいました。

免許制度

2007年度と2017年度にそれぞれ免許制度が変わり、普通免許で運転できる車格が変わっています。

2007年度までの免許取得ならば、下記のトラックを運転することが可能です。

  • 車両総重量 8トン未満
  • 最大積載量 5トン未満
  • 乗車定員数 10人以下

2017年度までの免許取得ならば、下記のトラックを運転することが可能です。

  • 車両総重量 5トン未満
  • 最大積載量 3トン未満
  • 乗車定員数 10人以下

2017年度以降の免許取得であれば、下記のトラックを運転することが可能です。

  • 車両総重量 3.5トン未満
  • 最大積載量 2トン未満
  • 乗車定員数 10人以下

そのため若者に関しては、軽貨物から一部の2トントラックのみしか運転できず、わざわざ高いお金をかけて中型や大型の免許を取得しなくてはならずハードルが大きくなっています。

このような理由からも、ドライバーが集まりづらい原因が見えてきます。


2024年問題とは

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2024年問題とは、働き方改革法案によりトラックなどのドライバーが行える労働時間に上限が課されることで発生する問題の総称です。

具体的には、物流・輸送業界における運転手の時間外労働が年間960時間に制限され、これにより1人当たりの走行距離が減少し、物流・輸送業界には売上減少やトラックドライバーの収入減少などの懸念が広がっています。

この問題の背景には、若手不足や高齢化、電子商取引の成長による需要増加があり、これらを改善すべく働き方改革関連法が導入されました。


2024年問題やドライバー不足で運賃はどうなるのか

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2024年問題における、物流・輸送業界の懸念点である売り上げの減少やトラックドライバーの収入減少を補うために業界的な値上げは避けられない状況です。

もちろん、人を集めるためには労働条件や給与の条件を良くしなくてはならないため必然的にその皺寄せは運賃にも影響を与えます。

さらには、燃料費の高騰やドライバー以外の人件費上昇にも伴い他の業界と同じように宅配運賃などはどんどん値上げしていく傾向にあります。


宅配大手の値上げ状況

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では、具体的に宅配大手の値上げの状況はどのようになっているのでしょう。

ここからは、各社の値上げ状況について解説していきます。

ヤマト運輸

ヤマト運輸は、2024年の4月から平均で2%の値上げを行うと発表しています。

理由としては、燃料価格の高騰とドライバーの待遇改善などです。

既に、2023年も10%の値上げを行なっていることから今後も値上げの動きが考えられるでしょう。

佐川急便

佐川急便は、2024年の4月から平均で7%の値上げを行うと発表しています。

理由としては、持続可能な物流インフラの維持と品質の向上のためとしています。

佐川急便もヤマト運輸同様に、2023年に値上げを行なっていることから今後も値上げの動きが考えられるでしょう。

日本郵便

日本郵便は、2023年の10月から平均で10%の値上げを実施しています。

理由としては、燃料費の高騰と人件費のコスト上昇による経営の圧迫としています。

2024年度の値上げに関しては、発表がありませんが市場の動きによってはさらなる値上げも考えられるでしょう。


まとめ

ドライバー不足や燃料費の高騰、2024年問題を理由として今後も宅急便などの運賃は上がっていくことが考えられます。

運賃は、ECサイト運営などにも影響を与えるため早急な対策が必要と言えるでしょう。


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