容積重量って何?輸送手段ごとに異なる計算方法も紹介
2024年 08月05日
「容積重量」と「実重量」を比較して、重い方を輸送料金として適用する。
越境ECを利用している方は、運送コストを調べる際にこの言葉をよく目にすると思います。
荷物はそんなに重くないのに、なんでそんなに送料が高額になるの?
容積重量を知らなければ、そういったケースに陥るかもしれません。
この記事では容積重量にピックアップして説明をしたいと思います。
容積重量(容積換算重量)とは
簡単に言うと「物の大きさを使って重さを計算する方法」です。
なぜ、こんなことをするのでしょうか?それは、物の大きさが大事な時があるからです。
例えば、トラックや船、飛行機で物を運ぶとき、重さだけでなく、どれくらいの場所を取るかも考えなければなりません。 軽いけど大きい物や、小さいけど重い物など、さまざまな物を運ぶために、容積重量が必要となります。
容積重量がなぜ採用されているのか
それは、運ぶ物の形や大きさが異なるため、単に重さだけでは運送コストを正確に計算できないからです。
運送コストの公平な計算
重いけど小さい荷物と、軽いけど大きい荷物があったとき、どちらも運ぶのにコストがかかります。
重さだけで料金を決めると、大きな荷物を運ぶコストが適正に反映されません。
容積重量を使うことで、公平に運送コストを計算できます。
収益性の確保と積載効率の最適化
運送会社にとって、収益を守りながら効率よく荷物を運ぶことはとても大切です。
例えば、軽いけど大きい荷物があるとします。このような荷物の場合、重さだけで料金を決めると、運送会社のコストに見合わないことがあります。
なぜなら、軽い荷物がスペースをたくさん占めると、もっと重い荷物を積むことができなくなり、結果として収益が減ってしまう可能性があるからです。
そこで役立つのが「容積重量」という考え方です。運送会社は限られたスペースを有効に使いながら、収益を守ることができます。
容積重量の計算方法
容積重量を計算するためには、まず荷物の縦、横、高さを掛け算して、容積を求めます。
そして、その容積を特定の数(換算係数)で割ります。
輸送手段によって換算係数が変わりますので、見ていきましょう。
下図はトラック輸送の計算例です。
トラック輸送の場合
トラック輸送では、1m³を280kgとしています。
縦(m)×横(m)×高さ(m)× 280 = 容積重量(kg)
海上輸送の場合
海上輸送では、1m³を1,000kgとしています。
縦(m)×横(m)×高さ(m)× 1,000 = 容積重量(kg)
航空輸送の場合
航空輸送では、IATA(国際航空運送協会)が定めた基準で、6000cm³(縦×横×高さ)を1kgとして計算します。
ただし、運送会社によっては5000cm³を1kgとして計算する場合もありますので、その場合は5,000で割ります。
縦(cm)×横(cm)×高さ(cm)÷ 6,000 = 容積重量(kg)
輸送手段によって換算係数が異なるのは、積載制限(最大重量、最大容積)によるものです。
トラック貨物で1m³を280kgとしているのは、その重量で計算しておけば、積載制限内に収まると計算しているからです。
皆さんが良く利用する宅配便では、60・80・100などサイズ分けされており、同時に重量も表記されているかと思います。 重量が超過すれば規定サイズ内であっても、重量に合った運賃が適用されます。 これは容積重量の考え方が前提にあると言われています。
まとめ
容積重量は、物の大きさを使って重さを計算する方法です。 トラック、海上輸送、航空輸送でそれぞれ異なる換算係数が使われます。 これを使うことで、効率よく荷物を運ぶことができ、運送コストの公平な計算も実現できます。