3温度帯とは?

2025年 01月29日

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3温度帯とは

3温度帯とは

3温度帯とは、一般的には「常温(ドライ)」「冷蔵(チルド)」「冷凍(フローズン)」の3つに分類されます。

物流においては、輸送や保管時に温度を指定する際に使用される温度区分です。

これらの温度帯は、商品の特性や鮮度を保つために重要な役割を果たしており、適切な温度管理を行うことで、商品の品質と安全性が守られます。


一般的な3温度帯の区分

常温:10℃~20℃
3温度帯_常温

常温帯は、温度変化に強い商品を保管する温度帯です。

この温度帯は、日常の室温に近いことから、特別な温度管理を必要としない食品が対象です。 例としては、ジャガイモやタマネギなどの野菜、リンゴや柑橘類といったフルーツが含まれます。 また、調味料や常温保存可能な加工食品、乾物類も常温帯で管理されることが一般的です。

冷蔵:マイナス5℃~5℃
3温度帯_冷蔵

冷蔵帯は、鮮度維持が重要な商品を保管する温度帯で、冷やしすぎない範囲で温度を低めに設定しています。

代表的な対象食品には、肉や魚などの生鮮食品、乳製品、デリカ商品が含まれ、これらは温度の変化が鮮度や品質に大きな影響を与えます。 この温度帯を維持することで、腐敗や品質劣化を防ぎます。

冷凍:マイナス15℃以下
3温度帯_冷凍

冷凍帯は、長期保存を目的とする商品の保管に適した温度帯で、食品が劣化しないよう、低温で凍結状態を保ちます。

代表的な商品には、アイスクリームや冷凍餃子、冷凍野菜、冷凍魚介類などが挙げられます。 この温度帯では、細菌の繁殖が抑えられ、保存期間を大幅に延ばすことが可能です。

これに加え、4温度帯では「定温」が追加され、より幅広い商品特性に対応できるようになっています。

定温:10℃~20℃
3温度帯_定温

定温帯は、品質保持のために一定の温度管理が必要です。

たとえば、チョコレートは高温で溶けたり、低温で風味が損なわれる可能性があります。 また、ワインや特定の野菜も定温管理の対象となることがあります。 これらの商品は、温度が不安定になると品質が大きく影響を受けるため、厳密な温度管理が必要です。


温度帯のさらなる細分化と具体例

3つの基本温度帯に加えて、保管する商品の特性や鮮度を維持するために、さらに細かく温度帯が設定されることがあります。 以下は、一般的に使用される温度帯のさらに細分化された区分です。

加温帯(20℃以上)

加温帯は、20℃以上に保つ必要がある商品の保管に用いられます。具体例としては、冷えると風味や食感が損なわれやすいピザやフライ類が挙げられます。

常温帯(10℃~20℃)

常温帯は、一般的に温度変化に大きな影響を受けない商品に適用されますが、特に夏季の高温期には「定温帯」としても利用されます。

冷蔵帯(5℃~マイナス5℃)

冷蔵帯は、鮮度が重要な生鮮食品や乳製品の保管に適しています。

この温度帯では、肉や乳製品、魚介類などが保管され、腐敗を抑制し、品質の維持に効果的です。 また、デリカ商品や一部の野菜も冷蔵帯で保管されます。

氷温帯(0℃~マイナス3℃)

氷温帯は、0℃付近の微妙な温度で保管することで鮮度を保つ方法です。

主に鮮魚や一部の野菜など、冷蔵帯よりもさらに鮮度維持が求められる商品に適しています。 この温度帯では、食品が凍らずに細菌の活動が抑制され、より高いレベルでの鮮度維持が可能です。

パーシャル帯(マイナス3℃)

パーシャル帯は、肉や鮮魚など、ほぼ凍結状態での保管が望ましい商品に適しています。

この帯域では、商品を冷蔵状態よりも低温にしつつ完全には凍結させない「微凍結」状態が保たれます。

これにより、商品の組織や食感が保持され、鮮度が長期間維持されます。特に鮮度を重視する高級食材や、家庭用で鮮度を保ちたい食品に適した温度帯です。


倉庫業法に基づく保管温度の基準

倉庫業法では、倉庫内の保管温度帯について「冷蔵倉庫基準保管温度」が定められており、 保管する商品の種類や品質維持のために厳密な温度管理が義務付けられています。

この基準は等級ごとに設定されており、それぞれの温度帯に応じて適した商品が保管されます。

以下が主な等級区分です。

級別 温度帯
C3 -2℃を超え、10℃以下
C1 -18℃を超え、-10℃以下
F1 -24℃を超え、-18℃以下
F2 -30℃を超え、-24℃以下
F3 -35℃を超え、-30℃以下
SF1 -40℃を超え、-35℃以下
SF2 -45℃を超え、-40℃以下
SF3 -50℃を超え、-45℃以下
SF4 -50℃以下
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まとめ

倉庫業における3温度帯の区分は、商品の特性に応じた温度管理を行い、品質と安全性を確保するために欠かせない仕組みです。

さらに、商品ごとに適した温度での保管が求められるため、温度帯は細分化され、加温帯から超低温帯までの多様な管理方法が用いられています。

また、倉庫業法に基づく「冷蔵倉庫基準保管温度」の等級制度により、保管温度の基準が法律で定められているため、倉庫業者はこれに従い厳格な温度管理を行います。

これにより、商品の鮮度や品質が保たれるだけでなく、消費者が安心して商品を利用できる環境が提供されます。


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