ピアノはなぜ湿気に弱い?おすすめの湿気対策は?
2025年 02月18日

ピアノは湿気に弱く、保管する際にはしっかりと湿気の対策をする必要があります。
この記事では、そんなピアノの湿気対策について解説していきます。
ピアノはなぜ湿気に弱い?

ピアノが湿気に弱いのは、主に使用されている材料が原因です。
ピアノには木材・金属・フェルト・皮の4種類の材料が使われており、そのうち木材・フェルト・皮は湿度の影響を受けやすく膨張・収縮を繰り返します。
湿気が多いと鍵盤やメカニック部分の木材やフェルトが膨らみ、鍵盤が戻らなくなったり音が止まらなくなるなどの不具合が発生します。
さらに、金属部分には錆が発生し部品の劣化を早める可能性があるでしょう。
また、ピアノの内部は風通しが悪いため湿気がこもるとカビが発生しやすくなります。
日本の気候は夏に湿気が多く冬は乾燥するため、この繰り返しによってピアノに負担がかかり高額な修理が必要になることもあります。
そのため、ピアノを長く快適に使うには湿度管理が重要です。
ピアノは乾燥のしすぎにも注意

ピアノは湿気に弱い楽器ですが、過乾燥の影響も深刻です。
湿度が低すぎる環境に長期間さらされると、木材の収縮や部品のゆるみが発生し演奏性や音質に大きな悪影響を及ぼしかねません。
ここでは、過乾燥がピアノに与える具体的な影響について解説します。
部品のゆるみや雑音の発生
ピアノは多くの木製部品で構成されており、湿度が低くなるとこれらの木材が収縮します。
その結果、部品の接合部分が緩み、鍵盤やアクション(打弦機構)などの可動部がガタつくことがあるでしょう。
また、ネジが緩むことで演奏時にカタカタとした雑音や不要な共鳴音が発生することもあります。
響板割れのリスク
ピアノの響板は、音の響きを豊かにするために薄い木材を貼り合わせた大きな板で作られています。
過乾燥の環境ではこの響板が収縮し、継ぎ目からひび割れが生じることがあるでしょう。
響板が割れると、音の響きが不自然になったり、最悪の場合雑音が発生したりするため大掛かりな修理が必要です。
響板割れは、湿度の低下だけでなく湿度や温度の急激な変化によっても発生しやすくなります。
駒割れによる調律の問題
ピアノの弦の振動は、「駒」と呼ばれる木製の部品を経由して響板に伝わります。
この駒も過乾燥の影響を受けると、木材が縮んでひび割れを起こすことが少なくありません。
駒が割れると弦を支えているピンが緩んでしまい、正しい調律ができなくなるという重大な問題が発生します。
駒割れは響板割れよりも発生頻度が高く、音の安定性に直接関わるため放置するとピアノ全体の音が狂ったままになってしまいます。
おすすめの湿気対策

ピアノにとって湿度管理はとても重要です。
理想的な湿度は40~60%であり、これは人間にとっても快適な湿度です。
また、温度についても15~25度が望ましいですが、特に湿度の変化による影響が大きいため湿度管理を優先することがピアノの長持ちにつながります。
ここからは、そんな湿度と温度を調整する方法について解説していきます。
エアコンを活用した湿度調整
部屋全体の温度と湿度を調整する最も一般的な方法は、エアコンの除湿機能を使うことです。
しかし、エアコンの「ドライ」や「除湿」機能を使用しても、必ずしも十分な効果が得られるとは限りません。
そのため、一度湿度計を設置し実際の湿度を測定してみることが大切です。
エアコンを使用していても湿度が高すぎたり逆に乾燥しすぎていたりする場合は、別途対策を講じる必要があります。
除湿機や加湿器を活用した湿度調整
エアコンだけでは湿度調整が難しい場合や普段エアコンをあまり使わない場合には、除湿機や加湿器を活用すると効果的です。
梅雨や夏場など湿度が高くなりやすい時期には、除湿機を使用して湿気を取り除くことが重要です。
逆に、冬場や乾燥しやすい環境では、加湿器を使って適度な湿度を維持することでピアノの木材やフェルト類のひび割れや収縮を防ぐことができます。
ピアノの湿度管理にぴったりの除湿機の種類と選び方

除湿器には主に3つのタイプがあり、それぞれの特徴に応じて適切なものを選ぶことが重要です。
コンプレッサー式の除湿器は、吸い込んだ湿気を冷やして水滴に変える仕組みで、夏場の除湿には効果的ですが冬場の使用にはあまり向いていません。
デシカント式の除湿器は、乾燥剤を使って湿気を吸着しヒーターで温めた空気を放出するため冬でもしっかりと除湿できますが、消費電力が大きくなりやすいというデメリットがあります。
ハイブリッド式の除湿器は、コンプレッサー式とデシカント式の長所を組み合わせたもので季節を問わず安定した除湿が可能です。
まとめ
ピアノは、湿気にも乾燥にも弱く適切な湿度管理が必要です。
湿度管理をしっかりとし、長く大切に使用できると良いでしょう。
参考URL
- 梅雨と夏のピアノのための湿気対策 オススメの除湿機について|トシブログ~ピアノユーザーのための調律師ブログ~
- ピアノは湿気の影響を受けるとどうなる?おすすめの対策や音が出ない時の対処方法を紹介!|高橋ピアノ調律
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