認定トランクルームとは?
2025年 02月10日

認定トランクルームとは、どのようなトランクルームのことを指すのでしょう。
この記事では、そんな認定トランクルームについて解説していきます。
認定トランクルームとは?

©国立倉庫
認定トランクルームとは、倉庫業法に基づき国土交通省に登録された倉庫業者が運営するトランクルームのことです。
一般的なレンタル収納スペースとは異なり、厳格な管理基準が求められ適切な物品管理や安全対策が施されています。
特に、一類倉庫としての基準を満たしたトランクルームは、国土交通大臣から「認定トランクルーム」として認定され専用の認定マークを取得することが可能です。
この基準には、建物の構造や防火・防犯対策、温度・湿度管理などが含まれており、大切な荷物を安心して保管できる環境が整っています。
認定マークがあることで、利用者はそのトランクルームが信頼できる施設であることを確認でき安心して利用できます。
トランクルームを選ぶ際は、この認定の有無を確認し、安全性の高い施設を選ぶことが重要です。
認定トランクルームの審査内容は?

認定トランクルームの審査は、個々の区画ごとではなく「一棟」単位で行われます。
ただし、施設全体が基準を満たしていなくても一部の区画が基準を満たしていれば、その区画のみ認定を受けることが可能です。
審査基準には、保管する物品の特性に応じた性能が求められます。
例えば、酒類や漆器など温度や湿度に影響を受ける物品には「定温性能」や「常湿性能」が必要です。
精密機械や楽器を保管する場合は「防塵性能」、毛皮製品には「防虫性能」、磁気ディスクには「防磁性能」が求められます。
一方、特に温湿度管理が不要な物品については「常温性能・常湿性能」での保管も可能ですが、その場合は寄託者の同意が必要です。
このように、認定トランクルームは、保管する物品の品質を維持するための厳格な管理基準を満たすことで安全で信頼性の高い保管環境を提供しています。
認定トランクルームの具体的な基準について

認定トランクルームは、保管する物品の種類に応じて以下の6つの性能が求められ、それぞれの基準を満たすことで認定を取得することが可能です。
ここからは、認定トランクルームの具体的な基準について解説していきます。
定温性能
定温性能とは、トランクルーム内の温度を一定範囲に保ち温度の変化による品質劣化を防ぐための性能です。
この性能が求められる物品としては、酒類など温度の変化に弱いものが該当します。
定温性能の認定を受けるためには、トランクルーム内に冷却装置や加熱装置を設置し、物品の特性に応じた適切な温度管理ができる環境を整えなければなりません。
また、温度計を見やすい場所に設置し、温度の管理が常に可能な状態を維持することが必要です。
さらに、定温性能の認定を取得するトランクルームは、一類倉庫の基準を満たしていなければなりません。
※一類倉庫とは国土交通大臣の定める防火性能、防犯設備、鼠害防止設備の設置基準が定められている倉庫です。
定湿性能
定湿性能とは、トランクルーム内の湿度を一定範囲に保ち、湿度の変化による品質劣化を防ぐための性能です。
湿度の影響を受けやすい物品としては、漆器類などが挙げられます。
定湿性能の認定を受けるためには、トランクルーム内に除湿機や加湿器を設置し適切な湿度管理を行える環境を整えなければなりません。
また、湿度計を見やすい場所に設置し湿度の管理を常に確認できる状態にすることが求められます。
さらに、定湿性能の認定を取得するトランクルームは、一類倉庫の基準を満たしている必要があります。
防塵性能
防塵性能とは、トランクルーム内の粉塵の発生を抑え物品への付着を防ぐための性能です。
粉塵の影響を受けやすい物品としては、精密機器や楽器などが該当します。
防塵性能の認定を受けるためには、床に防塵塗装を施すなどの粉塵対策を講じることが必要です。
また、掃除機や集塵機を設置し、庫内の清掃を徹底することで粉塵の蓄積を防がなければなりません。
さらに、保管物品が直接粉塵にさらされないよう、防塵カバーや専用の保管容器を設置することも求められます。
加えて、防塵性能の認定を取得するトランクルームは、一類倉庫の基準を満たしている必要があります。
防虫性能
防虫性能とは、害虫の発生を防ぎ保管物品を虫害から守るための性能です。
この性能が求められる物品としては、衣類や毛皮などが挙げられます。
防虫性能の認定を受けるためには、害虫の発生を防ぐための温度管理が必要であり、一定の低温を維持できる冷却装置を設置しなければなりません。
また、湿度が高いと害虫が発生しやすくなるため、除湿機を設置して湿度を一定以下に保つことも必要です。
さらに、有効な防虫剤や薫蒸装置を備え害虫対策を徹底することが求められます。
防虫性能の認定を取得するトランクルームも、一類倉庫の基準を満たしていなければなりません。
防磁性能
防磁性能とは、トランクルーム内の磁気の影響を抑え保管物品の機能を維持するための性能です。
この性能が求められる物品としては、磁気テープやフロッピーディスクなどが該当します。
防磁性能の認定を受けるためには、磁気を帯びた物品がトランクルーム内に持ち込まれないよう、入り口に磁気センサーを設置することが必要です。
また、磁気の影響を防ぐため専用の保管容器を設置することで、磁気センサーの代わりとすることも可能です。
加えて、防磁性能の認定を取得するトランクルームは、一類倉庫の基準を満たしていなければなりません。
常温・常湿性能
常温および常湿性能とは、温度や湿度の変化が品質に影響を与えない物品を適切に保管するための基本的な性能です。
この性能が求められる物品は、特殊な温度や湿度管理を必要としないものが対象となります。
しかし、庫内への水の浸透を防ぐなど最低限の防水対策は必要です。
常温および常湿性能の認定を受ける場合も、一類倉庫の基準を満たしていることが求められます。
まとめ

©国立倉庫
認定トランクルームは、良いトランクルームを選ぶ上で重要な指標です。
トランクルームを選ぶ際には、ぜひひとつの基準として考えてみてはいかがでしょう。
参考URL
- トランクルームの利用案内について|一般社団法人日本倉庫協会
- 【倉庫業】認定トランクルームの認定基準はどのようなものか|許認可支援ブログ
- 倉庫業における認定トランクルームの特徴|運送業許可ドットコム@札幌-行政書士千田大輔行政法務事務所
- 営業倉庫の種類、倉庫業法に定められる倉庫の種類をご紹介|倉庫の自動化なら物流システムエンジニアリングの株式会社APT
国立トランクルームは、国土交通省から「優良トランクルーム認定」を受けています。
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