実家を相続する前に確認したいこと7選|不動産と荷物をどう整理する?
2026年 10月26日

親が住んでいる実家について、「将来、自分が相続することになるかもしれない」と考えたことはありませんか?
実家の相続では、不動産の名義変更や相続税の申告などの手続きだけでなく、家の中にある家具・家電・衣類・書類などの大量の荷物をどうするかも考える必要があります。
特に、相続した実家に誰も住まない場合は、そのまま空き家になる可能性があります。
国土交通省も、空き家は放置期間が長くなるほど老朽化や損傷が進み、売買や賃貸などが難しくなる場合があるとして、早めに家族で方針を決めることを勧めています。
では、実家を相続する前に、どのようなことを確認しておけばよいのでしょうか。
この記事では、実家の相続に備えて確認しておきたい7つのポイントを、不動産と荷物の整理という観点から解説します。
目次
実家の相続は「不動産」と「荷物」を分けて考える
実家を相続するときは、土地・建物だけでなく、家の中に残されたさまざまな荷物についても考える必要があります。
たとえば、次のようなものです。
- 家具・家電
- 衣類・寝具
- 食器・調理器具
- 本・アルバム
- 契約書・権利証(登記済証・登記識別情報)などの重要書類
- 貴金属・美術品などの貴重品
- 趣味用品
- 仏壇・仏具
- 思い出の品
荷物の量が多い実家では、「家をどうするか」を決める前に、荷物の整理が必要になることもあります。
そのため、相続が発生してから慌てるのではなく、できる範囲で事前に確認しておくことが大切です。
実家を相続する前に確認したいこと7選
1.実家の名義・登記を確認する
まず確認したいのが、実家の土地と建物の名義です。
「親が住んでいるのだから親の名義だろう」と思っていても、登記を確認すると、過去の相続などによって別の名義になっているケースがあります。
相続した不動産については、2024年4月1日から相続登記が義務化されています。
相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があり、正当な理由なく義務に違反した場合には過料の対象となる可能性があります。
そのため、相続が発生する前から、実家の土地・建物の登記情報を確認しておくと安心です。
2.相続人と遺言書の有無を確認する
次に確認したいのが、誰が相続人になるのか、そして遺言書があるのかという点です。
相続では、家族だけで話し合って決めればよいとは限りません。法定相続人を確認したうえで、遺言書がある場合はその内容も確認する必要があります。
国税庁も、相続税の申告準備として「相続人の確認」「遺言書の有無」「遺産と債務の確認」「遺産の評価」「遺産分割」などを挙げています。
特に実家を誰が引き継ぐのかについては、家族間で早めに話し合っておくことが重要です。
「長男が住む」「売却する」「賃貸にする」「誰も住まないので空き家として管理する」など、選択肢によって必要な準備が変わります。
3.実家を今後どうするか家族で話し合う
相続した後の実家について、あらかじめ方向性を考えておきましょう。
主な選択肢には、次のようなものがあります。
| 選択肢 | 主な特徴 |
|---|---|
| 自分や家族が住む | 住宅として活用できる |
| 親族が住む | 家族内で引き継ぐ |
| 売却する | 不動産を現金化できる |
| 賃貸する | 家を活用しながら収入を得る方法 |
| 保有する | 将来の利用に備えて維持する |
| 解体する | 建物をなくして土地を活用する |
国土交通省も、空き家になる前から「誰が住むのか」「解体するのか」「売るのか」「貸すのか」などを家族で話し合っておくことが重要だとしています。
相続してから考えるのではなく、親が元気なうちから話し合っておけば、家族それぞれの希望を確認できます。
4.家の中の荷物を少しずつ整理する
実家の相続で大きな負担になりやすいのが、家財の整理です。
長年暮らしてきた家には、家具や衣類だけでなく、思い出の品や書類なども大量に残っていることがあります。
すべてを相続後に整理しようとすると、精神的にも時間的にも負担が大きくなります。
まずは、次のように分類してみましょう。
残すもの
- 思い出の品
- 写真・アルバム
- 家族にとって重要な書類
- まだ使用する家具・家電
処分を検討するもの
- 壊れた家具・家電
- 不要になった衣類
- 使用しない日用品
- 長期間使っていないもの
判断を保留するもの
- 売却するか迷っているもの
- 誰が引き継ぐか決まっていないもの
- 将来使う可能性があるもの
一度にすべてを処分する必要はありません。
特に思い出の品は、家族で相談しながら時間をかけて整理することが大切です。
5.重要書類や貴重品の保管場所を確認する
実家の荷物を整理するときは、不要品だけに目を向けるのではなく、重要書類や貴重品を探しておくことも重要です。
たとえば、
- 不動産の権利関係書類(登記済証・登記識別情報など)
- 預貯金に関する書類
- 保険証券
- 年金関係書類
- 契約書
- 印鑑
- 通帳
- 貴金属
- 美術品
- 有価証券など
が考えられます。
相続手続きでは財産や債務の確認が必要になるため、重要な書類をどこに保管しているのか、親に確認しておくとよいでしょう。
国税庁も、相続税の申告準備として遺産や債務を確認し、一覧表を作成することを案内しています。
なお、相続財産の内容によっては税務上の判断が必要になるため、相続税については税理士などの専門家への相談も検討しましょう。
6.相続税や不動産にかかる費用を確認する
実家を相続するときには、相続税だけでなく、登記や不動産の維持・管理などにかかる費用も考えておく必要があります。
相続税については、正味の遺産額が基礎控除額を超える場合などに申告・納税が必要になります。
基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算され、申告・納税の期限は、原則として相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。
また、相続税の申告は、遺産分割が終わっていない場合でも期限が延長されるわけではありません。
「家を相続したら、税金や費用がどれくらいかかるのか」を事前に確認しておくことで、相続後の資金計画も立てやすくなります。
7.荷物の保管場所をあらかじめ考えておく
最後に考えておきたいのが、実家にある荷物の保管場所です。
実家を売却したり、建物を解体したりする場合、家の中を空にする必要があります。
しかし、「すぐには処分できないけれど、新居にすべて持っていくこともできない」という荷物もあるでしょう。
たとえば、
- アルバム・写真
- 思い出の品
- 季節用品
- 趣味用品
- 家具
- まだ使える家電
- 家族から引き継いだ品物
などです。
こうした荷物は、トランクルームや倉庫などに一時的に保管する方法があります。
国土交通省も、空き家対策では「家財の整理」を重要な取り組みの一つとして挙げています。
家財が整理されていないと、空き家を売却・活用・除却する際の妨げになる場合があるためです。
「処分するか迷っているから、とりあえず保管する」という選択肢を用意しておくと、家族で相談する時間も確保できます。
実家の荷物は「すぐ捨てる」必要はない
実家を整理するときに注意したいのが、相続後すぐにすべての荷物を処分してしまうことです。
一見すると不要に思えるものでも、家族にとって重要な書類や思い出の品が含まれている可能性があります。
まずは、
重要書類・貴重品を確認する
↓
家族で残すものを決める
↓
売却・譲渡できるものを分ける
↓
不要品を処分する
↓
迷うものは一時保管する
という流れで整理すると、判断しやすくなります。
特に売却や解体を予定している場合は、荷物の搬出に時間がかかることも考えて、早めに整理を始めることが大切です。
相続した実家を空き家にしないためにも早めの準備を
実家を相続したものの、誰も住まないまま空き家になるケースは少なくありません。
国土交通省によると、使用目的のない空き家は増加しており、空き家を放置すると資産価値の低下や周辺環境への影響などにつながるおそれがあります。
そのため、「相続してから考える」のではなく、親が元気なうちから家族で将来について話し合っておくことが重要です。
実家を売却するのか、誰かが住むのか、賃貸するのか、それとも将来のために保有するのか。
方針が決まれば、それに合わせて荷物の整理や保管場所についても考えられます。
なお、相続した空き家を売却する場合には、一定の要件を満たすことで「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」が利用できる場合があります。
ただし、相続人の数などによって控除額が異なる場合があるため、適用要件を確認することが大切です。
適用には期限や住宅の状態などの要件があるため、売却を検討する際は税務署や税理士などに確認しましょう。
実家の相続は「家」と「荷物」をセットで考えよう
実家の相続では、不動産の名義や相続税だけでなく、家の中に残された大量の荷物についても考えておく必要があります。
特に確認しておきたいのは、次の7つです。
- 実家の名義・登記を確認する
- 相続人と遺言書の有無を確認する
- 実家を今後どうするか家族で話し合う
- 家の中の荷物を少しずつ整理する
- 重要書類や貴重品の保管場所を確認する
- 相続税や不動産にかかる費用を確認する
- 荷物の保管場所をあらかじめ考えておく
特に、思い出の品や家具などは、短期間で処分を決めるのが難しいものです。
実家を売却・解体する場合でも、すべてを急いで捨てるのではなく、必要なものを一時的にトランクルームや倉庫などへ保管してから、時間をかけて整理する方法もあります。
相続は、手続きだけでなく「その後、実家と荷物をどうするか」まで考えることが大切です。
将来の負担を減らすためにも、親が元気なうちから家族で話し合い、できることから少しずつ準備しておきましょう。
参考URL
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