EC在庫管理とは?ネット通販の在庫管理方法・効率化のポイントを解説
2024年 10月10日

ネット通販を運営するうえで、売上や集客と同じくらい重要なのが「在庫管理」です。
「注文を受けたのに商品が足りない」「在庫はあるはずなのに見つからない」「売れ残った商品が倉庫を圧迫している」といった問題は、EC事業者にとって珍しくありません。
特に商品数や注文数が増えてくると、Excelや手作業だけで在庫を管理することが難しくなり、在庫数のズレや発注ミス、出荷遅延などにつながる可能性があります。
また、在庫を持ちすぎれば保管コストが増える一方、在庫を減らしすぎれば欠品による販売機会の損失につながります。
そこで重要になるのが、販売実績や需要動向を把握したうえで「必要な商品を、必要な量だけ、必要なタイミングで保管する」という考え方です。
この記事では、ネット通販における在庫管理の重要性やよくある課題、効率化する方法、在庫管理システムを活用するメリットについて詳しく解説します。
目次
ネット通販における在庫管理とは?
ネット通販における在庫管理とは、商品の入荷から保管、出荷までの数量や状態を正確に把握し、適切な在庫量を維持する業務です。
具体的には、
- 商品の入荷数を確認する
- 倉庫や棚に商品を保管する
- 注文に応じて在庫を引き当てる
- 出荷した商品を在庫から減らす
- 定期的に棚卸しを行う
- 売れ行きを分析して仕入れ量を調整する
といった業務が含まれます。
ECサイトでは、実店舗と違って商品を直接手に取ってもらうことができません。
そのため、ECサイト上で表示される「在庫あり」「残りわずか」「売り切れ」などの情報が、購入判断にも大きく影響します。
在庫情報と実際の倉庫在庫にズレがあると、注文を受けた後に商品が用意できないといったトラブルにつながります。
そのため、EC事業者にとって在庫管理は、単に商品数を数えるだけではなく、販売機会と顧客満足度を維持するための重要な業務といえるでしょう。
EC事業者に在庫管理が必要な理由
欠品による販売機会の損失を防ぐ
在庫管理が適切に行われていないと、売れ筋商品が欠品してしまう可能性があります。
特に広告やSNSなどをきっかけにアクセスが急増した場合、想定以上の注文が入ることがあります。
その際、商品が欠品していると、購入できない顧客が別のショップへ流れてしまう可能性があります。
売れ筋商品については販売実績や季節変動などを確認し、欠品しないよう適正在庫を確保することが重要です。
過剰在庫を防ぐ
在庫は多ければ安心というわけではありません。
在庫を保管するには、倉庫スペースの確保や在庫管理にかかるコストが発生します。
さらに、季節商品や流行商品は販売時期を逃すと売れにくくなり、値下げや廃棄が必要になるケースもあります。
2026年は物流コストや倉庫賃料の見直しも重要になっており、「在庫を持つこと自体にもコストがかかる」という視点がより重要になっています。
顧客満足度を維持する
ECサイトで注文した商品が「在庫切れだったためキャンセル」になると、顧客のショップに対する信頼低下につながります。
在庫情報を正確に管理し、注文を受けた商品をスムーズに出荷できる体制を整えることは、顧客満足度を高めるうえでも重要です。
物流業務を効率化できる
在庫の場所や数量が明確になっていれば、商品のピッキングや棚卸しもスムーズになります。
反対に、どこに何の商品があるのか分からない状態では、商品を探す時間が増え、出荷作業全体の効率が低下します。
商品ごとに保管場所を整理し、ロケーション管理を行うことも重要です。
ネット通販で起こりやすい在庫管理の問題
EC事業の規模が大きくなると、次のような問題が起こりやすくなります。
在庫数が合わない
手入力による管理では、入力漏れや入力ミスが発生する可能性があります。
実際の倉庫には商品があるのにECサイトでは「在庫なし」になっていたり、反対に在庫がないのに「購入可能」と表示されてしまったりするケースもあります。
商品の保管場所が分からない
商品数が少ないうちは問題にならなくても、SKUが増えると商品の保管場所が分かりにくくなります。
「商品を探す」という作業に時間がかかれば、出荷件数が増えたときに大きな負担となります。
売れない商品が倉庫を圧迫する
販売実績を確認せずに仕入れを続けていると、売れ残りが増えていきます。
長期間動いていない商品を定期的に確認し、セールやセット販売、販売停止などの対応を検討することが大切です。
在庫管理を効率化する5つの方法
1. 商品ごとの在庫数を正確に把握する
まずは現在の在庫数を正確に把握することが基本です。
商品の入荷数、出荷数、返品数などを記録し、実在庫とシステム上の在庫に差異がないか定期的に確認しましょう。
バーコードやハンディターミナルなどを活用すれば、手作業による入力ミスの削減も期待できます。
2. ABC分析で在庫を分類する
すべての商品を同じ方法で管理するのではなく、売上や出荷頻度に応じて優先順位をつける方法も有効です。
例えば、
- Aランク:売上への貢献度が高い商品
- Bランク:売上への貢献度が中程度の商品
- Cランク:売上への貢献度が低い商品
というように分類します。
Aランクの商品は欠品しないよう重点的に在庫を確認し、Cランクの商品は過剰在庫になっていないかを確認するといった管理が可能です。
3. 在庫回転率を確認する
在庫回転率とは、一定期間に在庫がどの程度入れ替わったかを示す指標です。
在庫回転率が低い商品は、長期間売れていない可能性があります。
定期的に在庫回転率を確認することで、売れ筋商品と動きの鈍い商品を把握し、仕入れ量や販売方法の見直しにつなげられます。
4. 商品の保管場所を整理する
倉庫内では、商品のサイズや出荷頻度などに応じて保管場所を決めましょう。
例えば、出荷頻度の高い商品を出荷作業スペースの近くに配置すると、ピッキング時の移動距離を短縮できます。
また、商品ごとに棚番号などのロケーションを設定しておけば、担当者が変わっても商品を探しやすくなります。
商品特性に応じて保管方法を見直すことで、倉庫スペースを効率的に利用することも可能です。
5. 在庫管理と受注・出荷を連携させる
複数のECモールやネットショップを運営している場合、それぞれの在庫を個別に管理すると、在庫数の更新漏れが発生しやすくなります。
在庫管理システムやAPI連携を活用すれば、ECサイトと物流システムの間で注文情報や在庫情報などを自動で共有できる場合があります。
手作業によるデータ入力を減らすことで、業務効率化と在庫情報の正確性向上が期待できます。
在庫管理システムを導入するメリット
商品数や注文数が増えてきた場合は、在庫管理システムの導入も検討しましょう。
👍 リアルタイムで在庫を確認できる
在庫管理システムを利用することで、入荷・出荷による在庫数の変化を把握しやすくなります。
複数の販売チャネルを運営している場合も、在庫情報を一元管理できれば、在庫の二重販売や更新漏れの防止につながります。
👍 人的ミスを減らせる
手作業での入力や計算が多いほど、ミスが発生する可能性も高くなります。
システムによる自動化やバーコード管理を取り入れることで、入力作業の負担を軽減できます。
👍 棚卸しを効率化できる
在庫管理システムとハンディターミナルなどを組み合わせれば、棚卸し作業の効率化も可能です。
WMS(倉庫管理システム)では、在庫管理だけでなく入出庫や棚卸しなど、倉庫内のさまざまな業務をサポートできます。
👍 データを仕入れや販売戦略に活用できる
過去の販売データを蓄積しておけば、季節ごとの需要や商品の売れ行きを分析できます。
例えば、
「夏になるとこの商品が売れる」
「セール期間中はこの商品が急増する」
「この商品は一定期間を過ぎると売れにくい」
といった傾向を把握できれば、仕入れ量の調整にも役立ちます。
在庫管理を単なる「商品数の管理」で終わらせず、販売データを今後の仕入れや販売計画に活用することが重要です。
在庫管理を外部倉庫に任せる方法もある
EC事業が成長し、在庫管理や出荷作業が大きな負担になってきた場合は、EC物流倉庫への外注も選択肢になります。
EC物流倉庫では、商品の入庫・検品、保管、在庫管理、ピッキング、梱包、出荷などをまとめて委託できるサービスがあります。
特に、
- 在庫を保管するスペースが足りない
- 注文数が増えて出荷作業が追いつかない
- 在庫管理に時間がかかっている
- 誤出荷や発送ミスを減らしたい
- 商品企画やマーケティングに時間を使いたい
といった場合には、物流業務を外部化することでEC運営全体を効率化できる可能性があります。
また、EC事業者によって必要な保管スペースや出荷量は異なるため、物流会社を選ぶ際には料金だけでなく、対応可能な商品、システム連携、出荷体制、保管方法などを確認することが大切です。
国立倉庫のEC通販物流代行サービスでは、1坪からの保管やピース・カートン単位での対応、主要ECカートシステムとの連携、API連携などに対応しています。
まとめ
ネット通販における在庫管理は、欠品や過剰在庫を防ぐだけでなく、物流コストや顧客満足度、売上にも関わる重要な業務です。
特にEC事業が成長すると、商品数や注文数が増加し、Excelや手作業だけでは在庫管理が難しくなるケースがあります。
まずは、
- 在庫数を正確に把握する
- 売れ筋商品・売れ行きの低い商品を分析する
- 在庫回転率を確認する
- 倉庫内の保管場所を整理する
- 受注・在庫・出荷情報を連携する
といった取り組みから始めてみましょう。
さらに、在庫管理システムやEC物流倉庫を活用することで、在庫管理から出荷までの業務を効率化できる可能性があります。
EC事業の規模や商品の特性、出荷量に合わせて適切な在庫管理方法を選び、売上拡大と物流コストの最適化につなげていきましょう。
参考URL
- ECサイトの在庫管理はなぜ重要なのか?メリット・ポイントを解説|ECzine(イーシージン)
- 在庫管理はなぜ必要?重要性や効率化で生まれるメリットを解説 Business Navi~ビジネスに役立つ情報~:三井住友銀行 (smbc.co.jp)
- ネットショップに最適な在庫管理とは? (squareup.com)
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