EC倉庫におけるデバンニングとはどんな作業?

2025年 10月09日

テーマ:

画像出典元

EC倉庫における、デバンニング作業とはどのような作業なのでしょう。

この記事では、そんなデバンニングについて解説していきます。


デバンニングとは?

画像出典元

デバンニング(Devanning)とは、コンテナの中から荷物を取り出す作業を指します。

輸入貨物などを港から倉庫へ搬入する際に行われる作業で、物流現場では非常に一般的な工程です。

この逆に、荷物をコンテナへ積み込む作業は「バンニング(Vanning)」と呼ばれ、対になる用語として使われます。

デバンニング作業では、まず港や物流拠点に到着したコンテナを開封し、荷物を一つずつ取り出してフォークリフト等を使いながらパレットに積み替え、倉庫内に商品を移動させます。

EC事業者にとっても、海外からの仕入れ商品やメーカーからの大量納品を受け入れる際に、この作業は欠かせません。

つまり、デバンニングは物流のスタート地点であり、その後の在庫管理や出荷スピードに大きく関わる重要な役割を担っています。


EC物流におけるデバンニングの役割

画像出典元

EC物流におけるデバンニングの役割は何でしょう。

ここからは、そんなEC物流におけるデバンニングの役割について解説していきます。

受け入れと検品

コンテナから荷物を降ろしたら数量や状態を確認し、破損や汚損、数量の違いがある場合はすぐに記録を残し、仕入れ先へ報告します。

この段階での確認が不十分だと、後に返品トラブルや在庫差異が発生する原因になるので注意です。

仕分けと在庫登録

検品が終わった商品は、品番(SKU)ごとに仕分けし在庫システムへ登録します。

ここでの処理スピードが早ければ早いほど、出荷までのリードタイム(受注から出荷までの時間)を短縮することが可能です。

特にECのように回転が速いビジネスでは、デバンニングの正確さとスピードが競争力に直結します。

品質管理の一部としての役割

輸送中の衝撃や湿気によって、商品が破損・変形していることもあります。

デバンニング時のチェックでそれらを発見できれば、出荷前に問題を防ぐことが可能です。

つまりデバンニングは、単なる荷下ろしではなく「品質確認」と「在庫管理」を兼ねた重要業務なのです。


ECにおけるデバンニング作業の流れ

画像出典元

1.コンテナ到着・封印確認

コンテナが到着したら、まずシール番号(封印番号)を確認し輸送中に開封されていないことをチェックします。

2.コンテナの開封

扉を開ける際は、内部で荷崩れが起きている可能性があるため慎重に作業します。

3.荷降ろしと検品

フォークリフトまたは手作業で荷物を降ろし、破損・数量を確認。

不備があれば写真を撮って報告書を作成します。

4.パレット積み替え(パレタイズ)

荷物をパレットに整然と積み替え、移動や保管がしやすいよう整理します。

デバンニング後の作業をスムーズにする作業のため重要です。

5.コンテナ内清掃・作業終了

すべての荷物を降ろしたら、コンテナ内のほこりや残留物を掃除し次回使用に備えます。

このように、デバンニングは単調な作業に見えますが、実際には多くのチェック項目と注意点がある非常に緻密な工程です。


ECにおけるデバンニング作業における課題

画像出典元

EC物流ではスピードと正確さが求められる一方で、デバンニング作業には課題もあります。

ここからは、そんなデバンニング作業における課題について解説していきます。

時間制限と効率性の両立

多くのコンテナは、2時間以内に荷降ろしを完了するのが目安となっていることが多いです。

しかし急ぎすぎると破損や人的事故を招くリスクもあり、効率と安全の両立が難しいのが現状です。

過酷な作業環境

夏場のコンテナ内は50℃を超えることもあり、熱中症の危険があります。

また、重量物を扱うことが多く、腰痛などの職業病につながるケースも少なくありません。

人手不足と離職率の高さ

EC市場の拡大により物流量は増えていますが、作業員の確保が追いついていません。

体力的に厳しい作業であるため、人材の定着が難しいという問題もあります。


ECにおけるデバンニングを効率化するための工夫

画像出典元

こうした課題を解決するためには、環境整備やデジタル化など複数の対策を組み合わせることが重要です。

ここからはそんな、ECにおけるデバンニングを効率化するための工夫について解説していきます。

作業環境の改善

コンテナと倉庫床に段差があると作業効率が落ちます。

ドックレベラーやスロープを設置してフォークリフトが直接出入りできるようにすれば、無駄な手間を減らすことが可能です。

最適な人員配置

少人数では時間がかかりすぎ、多すぎると動線が重なって効率が下がります。

作業内容に応じて2~5人程度のチームを組み、役割分担を明確にすることが大切です。

デジタルツール・自動化の導入

AIやロボットを活用した自動デバンニング装置の導入が進んでいます。

また、WMS(倉庫管理システム)と連携させることで、入庫データをリアルタイムに反映でき在庫差異を防ぐことが可能です。

教育・マニュアルの整備

新人教育を疎かにすると、破損事故や作業ミスが増えます。

作業手順を文書化し、定期的な安全研修を行うことで品質の安定と安全性の確保につながります。


まとめ

デバンニングは、EC倉庫における物流の入り口であり商品がスムーズに流通するための土台をつくる作業です。

この工程を丁寧に行うことで、在庫の正確性が保たれ出荷スピードの向上や顧客満足度の向上にもつながります。

今後はAIやロボットによる自動化、作業データの可視化などスマートデバンニングがますます普及していくでしょう。

スピード・品質・安全のバランスを取りながら現場の環境を整えることが、これからのEC物流の大きな鍵となります。


参考URL

国立倉庫のネット通販物流代行サービスなら、受注から配送までらくらく自動化!すべてお任せください。
EC通販の物流代行サービスなら国立倉庫

おすすめコラム記事