翌日配達や送料無料はもう限界?当たり前のサービスではなくなる?

2025年 04月18日

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ドライバー不足や24年問題で翌日配送や送料無料が当たり前のサービスでは無くなってきています。

この記事では、そんな翌日配送や送料無料の行末について解説していきます。


なぜ翌日配送や送料無料が広まったのか

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いまではすっかり当たり前になった「翌日配送」や「送料無料」ですが、なぜこれほどまでに普及したのはなぜなのでしょう。

理由のひとつは、企業の販売戦略です。

ネットショップが急速に広がる中、競争はどんどん激しくなっていきました。

その中で、「送料無料」や「すぐ届く」というサービスは、他社との差別化や購入の後押しになる強力な武器でした。

消費者の心理としても、送料がかかると「ちょっと損した気分」になりますが、送料無料なら迷わず買いやすくなります。

また「今日買えば明日届く」というスピード感も、リアル店舗に行く手間を省ける大きな魅力です。

企業にとっても、「送料無料」にすることでまとめ買いを促したり、リピーターを増やすきっかけにもなりました。

配送のコストは実際にはかかっているものの、それを無料に見せることで商品そのものの価値を引き立てる工夫がされてきたのです。

こうして「送料無料」や「翌日配送」は、売る側・買う側・サイト運営側のすべてにメリットがある便利な仕組みとして定着していきました。


なぜ翌日配送や無料配送が当たり前でなくなったのか

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近年、「無料配送」や「翌日配送」が少しずつ難しくなってきて、当たり前のサービスではなくなりました。

その背景にあるのが、いわゆる「2024年問題」と呼ばれる物流の課題です。

もともと2024年問題とは、働き方改革の一環としてトラックドライバーの労働時間に上限が設けられたことによって生じる影響を指します。

2024年4月から、トラックドライバーの残業時間は年間960時間までに制限されました。

これは労働環境の改善を目的とした前向きな取り組みですが、その一方で物流業界では一人のドライバーが運べる荷物の量や時間が減ってしまうという副作用が出てきています。

実際、何の対策も取らなければ、2030年には今の3割近くの荷物が運べなくなるとも言われています。

にもかかわらず、新たなドライバーを確保するのは簡単ではありません。

タクシーやバス業界と同様に、物流業界も深刻な人手不足に直面しているのです。

このような背景から、ネット通販で当たり前だった「当日配送」や「翌日配送」が難しくなり、再配達の希望日時も限られるようになってきました。

また、運送コストの増加によって、「送料無料」というサービスも維持が難しくなりつつあります。


翌日配送や送料無料の未来

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これまで当たり前のように使われてきた「送料無料」や「翌日配送」ですが、今後もこのまま続いていくとは限りません。

特に「2024年問題」によって物流業界が大きな転換点を迎えている今、これらのサービスのあり方も見直しが進んでいます。

まず「送料無料」については、今後その表記自体がなくなる可能性が高いと言われています。

政府が表示のあり方に関する方針を示したことを受け、単に「無料」と表記するのではなく、「送料は当社が負担します」など、実態に即した表現へと変わっていく見込みです。

また、企業が送料を負担する場合でもすべての商品に適用するのではなく、たとえば「〇円以上購入で送料無料」「会員限定で送料無料」といった条件付きになる可能性も高いでしょう。

一方、「翌日配送」についてもドライバーの労働時間に上限が設けられたことにより、今後は縮小していくと見られています。

再配達の時間帯指定が難しくなったり、配達日数がこれまでよりもかかるケースも増えていくでしょう。

こうした変化は、一見すると不便に感じられるかもしれません。

しかしその背景には、働く人たちの負担を減らし、より持続可能な仕組みへとシフトしていこうという意図があります。

今後は、即日や翌日配送といった「特急サービス」には追加料金がかかるのが普通になり、「便利さには対価が伴う」という考え方が広がっていくかもしれません。


翌日配送や送料無料以外の魅力的なサービスを考える

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ネット通販での競争力を高めたいのであれば、今後は翌日配送や送料無料以外の魅力的なサービスを考えていく必要が考えられます。

例えば、逆にゆっくりでいいよといった配送を選択することでポイントが貯まったり、割引がされたりといったサービスを行うサイトも出てきています。

このように、今後は物流へ負担をかけるのではなく物流に余裕を持たせることにより、顧客、配送、ネット通販全てがWin-Winとなるようなサービスを展開する必要があるでしょう。


まとめ

翌日配送や送料無料は、将来的に難しいサービスとなることが考えられます。

今後はお金を払って早く届けてもらったり、逆に遅くていいから割引してといった輸送サービスに変わっていくことが考えられるでしょう。

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