ピアノの保管前にはどんな手入れをするとよい?

2025年 06月26日

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思わぬトラブルを避けるために、ピアノを保管する前には手入れをするとよいです。

この記事では、そんなピアノの保管前にするべき手入れについて解説していきます。


保管前にピアノ掃除が必要な理由とは?

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「しばらく弾かないから掃除はしなくても大丈夫」と思っている方もいるかもしれませんが、ピアノを保管する前に掃除をしておくことは非常に重要です。

掃除を怠ると、見た目の美しさが損なわれるだけでなく楽器としての性能にも悪影響を及ぼす可能性があります。

たとえば、外装のホコリや汚れを放置すると、時間が経つほどにこびりついて取りにくくなります。

また、ピアノ内部の弦やアクション(鍵盤とハンマーをつなぐメカ)に埃がたまると音の伸びが悪くなったり、動きが鈍くなったりする原因にもなります。

さらに、鍵盤の隙間にゴミや埃が入り込むと打鍵の感触が悪くなり、演奏性にも影響が出てしまいます。

また、ペダル部分も例外ではありません。

汚れたまま放置すると金属部分が錆びやすくなり、動作不良を起こす可能性もあります。

これらは長期保管中に徐々に進行し、再び演奏する際には修理や調整が必要になることもあります。

調律師などの専門家も、定期的な掃除はピアノを良い状態で保つうえで欠かせないと推奨しています。

特に長期間保管する前には、一度丁寧に掃除をしておくことで、ピアノを末永く美しく快適に使い続けることが可能です。


ピアノの掃除に必要な掃除道具は?

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ピアノは、それぞれの部分に適した掃除道具を使えば、傷や故障を防ぎつつ清潔で快適な状態を保てます。

ここからは、部分ごとに適した掃除用具を紹介していきます。

外装(外側)の掃除に必要なもの

  • クロス(外装用)

    柔らかいネル素材のクロスを使用しましょう。タオルなどの硬い素材は表面に細かな傷をつける恐れがあるため避けます。

  • 毛ばたき

    柔らかい毛質のものを選び、ホコリをやさしく払います。強くこすらないよう注意してください。

  • 外装用クリーナー

    ピアノの塗装に合わせた専用クリーナーを使用しましょう。黒い鏡面タイプなら艶出し成分入りのもの、木目調なら半艶・艶消しタイプが適しています。

内部の掃除に必要なもの

  • 毛ばたき

    ピアノ内部は非常にデリケートです。無理に掃除せず、軽く毛ばたきでホコリを取る程度にとどめましょう。無理な掃除は故障の原因になるため、専門家に任せるのが基本です。

鍵盤の掃除に必要なもの

  • クロス(鍵盤用)

    外装用とは別に鍵盤専用のクロスを用意するのが理想です。同じく柔らかい素材を使用してください。

  • 毛ばたき

    隙間に入り込んだホコリをやさしく取り除きます。

  • 鍵盤用クリーナー(キークリーナー)

    専用のクリーナーを使用し、指の皮脂や汚れを落とします。アルコールやベンジンは鍵盤を傷めるため使用厳禁です。

ペダルの掃除に必要なもの

  • クロス

    表面のホコリや汚れを拭き取るために必要です。

  • 耐水ペーパー

    細かい番手(目の細かいもの)を使用し、軽く研磨して汚れやサビを落とします。

  • マスキングテープ・新聞紙

    ピアノ本体や床を保護するために使います。掃除中に傷や汚れがつかないようにするための工夫です。

  • ピアノ用コンパウンド

    すでに発生しているサビの除去や変色の抑制に使います。丁寧に磨けば、ペダルの光沢も回復します。


部分ごとの掃除方法は?

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ここからは、部分ごとの掃除方法を解説していきます。

外装(外側)の掃除方法

ピアノの外装は、その見た目を決定づける重要な部分です。

まずは毛ばたきを使って、表面に積もったホコリを軽く払い落とします。

その後、柔らかいクロスで優しく拭き取ることで、細かな汚れまで丁寧に落としましょう。

もし目立つ汚れがある場合は、水で固く絞った布で軽く水拭きを行い、そのあとすぐに別の乾いたクロスで水分をしっかり拭き取ることが大切です。

次に、外装用クリーナーをクロスに少量つけ、全体を均一に拭き上げます。

ムラが出ないように注意しながら全体を拭いたら、最後に乾いたクロスで磨いて艶を出します。

木製部分に水分は大敵ですので濡れた布を使う際は必ずしっかりと絞り、水分を残さないようにしましょう。

鍵盤の掃除方法

鍵盤は演奏時に最も頻繁に触れる部分であるため、特に丁寧な掃除が求められます。

まず、毛ばたきで鍵盤全体のホコリを払い落とし、次にクロスで鍵盤の隙間や間に入り込んだホコリを優しく拭き取ります。

汚れが気になる場合は、水で固く絞った布で軽く拭き取り、その後すぐに別の乾いたクロスで水気を完全に取り除きましょう。

掃除の後は鍵盤が完全に乾くまでピアノの蓋を開けたままにしておくと安心です。

なお、アルコールやベンジンなどの薬品は絶対に使用してはいけません。

鍵盤表面の変色や劣化の原因になります。

また、一部の鍵盤には「カシュー塗装(西洋うるし)」が使われていることがあり、水拭きによって塗装が剥がれることもあるため不安がある場合は乾拭きのみで済ませるのが安全です。

鍵盤は、無理に引っ張って掃除しようとすると破損の原因になるため力を入れず、あくまでも優しく扱うことが重要です。

ペダルの掃除方法

ペダルは足元に位置するためホコリが溜まりやすく、サビが発生しやすい部分でもあります。

掃除を始める前に、ペダル根元にあるフェルト部分をマスキングテープなどで保護しておきましょう。

次に、耐水ペーパーに水をつけてペダル表面の汚れやサビを軽くこすって落とします。

もし頑固なサビがある場合は、コンパウンドを布に少量取り、円を描くように優しく磨いて落とします。

さらに全体をコンパウンドで磨き上げることで、ペダル本来の艶を取り戻すことが可能です。

ただし、ペダルの材質によってはコンパウンドの使用が適さない場合もあるため、事前にピアノの型番や説明書から材質を確認しておくことが望ましいです。

また、コンパウンドで強くこすりすぎると細かい傷が残る可能性もあるため、力加減には十分注意しましょう。

ピアノ内部の掃除方法

ピアノ内部には弦やハンマー、アクション部といった非常に繊細なパーツが数多く存在しており、音の品質にも直結する重要な領域です。

そのため、自分でできる掃除は最小限にとどめるのが基本です。

掃除を行う場合は、毛ばたきで内部のホコリをそっと払い落とす程度にとどめ、弦やアクション部分には決して触れないよう注意してください。

弦は金属製のためサビやすく掃除中の接触によって切れたり、音程に影響を与える可能性もあります。

また、アクション部は湿気によってカビが発生することもありますが、構造が複雑なため素人の判断で触れると故障の原因になります。

これらの内部部品については、定期的に調律師など専門家に依頼し、適切なメンテナンスを受けることが大切です。


まとめ

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保管前の掃除はピアノの美観維持だけでなく、音や動作への影響を防ぐためにも大切なメンテナンスです。

今後も気持ちよくピアノを使い続けるために、ぜひ忘れずにお手入れしておきましょう。


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