コンテナに種類ってあるの?特徴やサイズを解説
2024年 11月13日
物流に欠かせないコンテナには、多くの種類とサイズが存在し、それぞれに適した用途があります。
このコラムでは基本的なコンテナの種類やサイズ、そしてよく耳にする予備知識について紹介します。
コンテナの種類
コンテナにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる貨物や用途に対応していますが、ここでは代表的なものをいくつか紹介します。
ドライコンテナ (Dry Container)
ドライコンテナは最も一般的なコンテナです。
工業製品や日用品など、特別な環境管理が必要ない一般貨物(乾貨)輸送に適しています。
リーファーコンテナ (Reefer Container)
リーファーコンテナは、冷蔵・冷凍機能を備えたコンテナで、温度管理が必要な貨物を輸送します。
生鮮食品や医薬品など、温度に敏感な商品の輸送に適しています。
リーファーコンテナ CAタイプ (Controlled Atmosphere Reefer Container)
CAタイプは、リーファーコンテナの一種で、温度だけでなく、内部の空気の成分(酸素や二酸化炭素)を制御して、貨物の鮮度を長時間維持できるのが特徴です。
果物や野菜など、鮮度保持が特に重要な商品の輸送に使われます。
オープントップコンテナ (Open Top Container)
オープントップコンテナは、天井が開いた設計で、高さのある貨物や上から積み下ろしが必要な貨物に適しています。
大型・重量物などに使用されます。
フラットラックコンテナ (Flat Rack Container)
フラットラックコンテナは、側面や天井がなく、長さや形状が特殊な貨物の輸送に適しています。
通常のコンテナに収まらない貨物を運ぶ際に使用されます。
タンクコンテナ (Tank Container)
タンクコンテナは、液体貨物を輸送するための専用コンテナで、石油、化学薬品、食品用の液体などを輸送するために使用されます。
液体や気体の漏れや損傷を防ぐために、特別な安全装置が装備されています。
コンテナのサイズ
コンテナの外寸はISO(国際標準化機構)によって標準化されています。
20ft、40ft、40ftハイキューブ(HC)はISOで規格化されていますが、20ftハイキューブ(HC)はISO規格には含まれていません。
20ftコンテナ (20ft Container)
20ftコンテナは、長さ約6メートルのコンテナで、比較的小型の貨物や重量がある貨物の輸送に適しています。
スペース効率が高く、重量物の輸送にもよく使われます。
40ftコンテナ (40ft Container)
40ftコンテナは、長さ約12メートルで20ftの2倍の容量を持ち、一般貨物の輸送に広く使用されています。
大量の貨物や長距離輸送に適しており、20ftコンテナよりも多くの貨物を一度に運ぶことができます。
45ftコンテナ (45ft Container)
45ftコンテナは、長さが約13.7メートルと、40ftよりさらに大きいサイズです。
大容量で効率的な輸送が可能ですが、日本国内ではインフラの制約や物流ニーズの違いから普及していません。
コンテナサイズの参考値
種類 | 20ft | 40ft | 40ft(HC) | |
---|---|---|---|---|
外法寸法 | 長さ(L) | 6,058mm | 12,192mm | 12,192mm |
幅(W) | 2,438mm | 2,438mm | 2,438mm | |
高さ(H) | 2,591mm | 2,591mm | 2,896mm | |
内法寸法 | 長さ(L) | 5,898mm | 12,032mm | 12,032mm |
幅(W) | 2,350mm | 2,350mm | 2,350mm | |
高さ(H) | 2,390mm | 2,390mm | 2,695mm | |
内容量 | 33.1㎥ | 67.6㎥ | 76.2㎥ | |
扉開口寸法 | 幅(W) | 2,340mm | 2,340mm | 2,340mm |
高さ(H) | 2,280mm | 2,280mm | 2,585mm | |
自重 | 2,200kg | 3,740kg | 3,830kg | |
最大積載重量 | 28,280kg | 26,740kg | 26,650kg/28,670kg | |
最大総重量 | 30,480kg | 30,480kg | 30,480kg/32,500kg |
※メーカーやモデルによって多少の差異が生じる可能性がありますが、物流で使用される標準的な仕様となっています。
※自重は一般的な数値です。
※最大積載量=最大総重量-コンテナ自重
コンテナに関する予備知識
コンテナ輸送において頻繁に使われる用語があります。ここではその一部を簡単にまとめて紹介します。
デバンニング (Devanning)
コンテナから貨物を取り出す作業のこと。
※デバンニングは2時間以内に作業を終わらせるという決まりが多く、時間を超過すると遅延金が発生する場合があります。
バンニング (Banning)
コンテナに貨物を積み込む作業のこと。
ETD (Estimated Time of Departure)
船や飛行機などが出発する予定日時のこと。
ETA (Estimated Time of Arrival)
船や飛行機が到着する予定日時のこと。
コンサイナー (Consignor)
荷主、つまり貨物を出荷する側の企業や個人を指します。輸出者とも言います。
コンサイニー (Consignee)
荷受人、つまり貨物を受け取る側の企業や個人。輸入者を指します。
デマレージ (Demurrage)
コンテナが港やターミナルに一定期間以上留置された場合に発生する保管料。フリーデイズを超えると課されます。
ドレージ (Drayage)
コンテナを港やターミナルから倉庫や配送先までの短距離輸送のこと。
FCL (Full Container Load)
1つのコンテナを1つの荷主が占有して貨物を満載する形態。大口貨物を輸送する際に使われます。
LCL (Less than Container Load)
1つのコンテナを複数の荷主が共同で利用する形態。小口貨物をまとめて輸送する場合に使用されます。
CFS (Container Freight Station)
コンテナ貨物の積み込みや取り出しを行う施設。主に小口貨物(LCL)の取り扱いに使用されます。
BL (Bill of Lading)
貨物の運送契約を証明する書類。船荷証券とも呼ばれ、貨物の受け渡しや所有権の証明に使われます。
まとめ
コンテナは種類やサイズによって異なる特性を持っています。
そのためコンテナの特性を理解することは、物流の管理において役立つポイントです。
国立倉庫の物流代行サービスでは、デバンニングも承っています。
国立倉庫のEC通販物流代行サービスにてお気軽にお問い合わせください。